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ネムリヒメ.
第23章 薔薇の刺、棘の鎖.
「ね、仕事に響くんじゃん!?」
「響かねえ…」
「かっわいそ…とかいって、手加減しないオレでし…っ!!」
言い終わる前に至近距離に詰めていた望のみぞおちに、今度は雅のニーキックが入る
「ゲホッ…ク…ソ、雅」
「バカか、葵みてぇにへらへらしやがって」
「ッ…!!」
「アイツに倣ってチャラチャラしてんじゃねぇよ」
さらには、望が怯んだところに雅が真っ白なパンツ目掛けてバックキックを繰り出す
望がそれに気がついて回避しようとするのだが、時すでに遅し…
見事に臀部についた足跡スタンプに雅が鼻で笑った
「フン…カッコわり。ダサすぎんだろ、それ」
「にゃろっ!!」
ニヤリと口元を歪めながら、睨み合うふたり…
しかし、次第に激しさを増していく格闘戦にも関わらず、互いの息はちっとも切れてはいなかった
若さ故なのか、どちらもまだまだ余裕と言った様子だ
「っていうかさ、葵くんにガチで蹴られるとかなーにやらかしたの!?葵くんの目、珍しく笑ってなかったけど♪」
「てめぇに関係ねぇっつーの!!」
「姫絡みだったら聞かせてよ♪」
「っせーな!!」
「図星♪図星ぃ♪」
「っ、黙れ!!」
「あ、言っとくけどオレの姫だからね♡」
「ホント黙れ、ガキ!!」
とまあ、聞くだけなら茶化す望とキレる雅の普通の会話となるわけなのだが
この間も互いに譲らない激しい攻防戦は続けられているわけで…