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ネムリヒメ.
第23章 薔薇の刺、棘の鎖.
望はミルクティーでご機嫌♪
雅はびしょ濡れで不機嫌…
「……ふぅ♪」
「はぁ……」
互いに完全に戦意喪失状態
本当は仲が良いのか、やっぱり悪いのか同じタイミングでため息を溢したふたり
しかし、雅が急に弾かれたように望に眉を寄せて詰め寄った
「…つーかお前、なんでさっき渚さんにアイツのこと聞かれてなんにも言わねぇんだよ。なんか知ってんだろ!!吐け!!」
「んー…オレの姫がどうしたって!?」
「っ…望!!」
次第に声を荒らげる雅に反して、ズズッとストローを鳴らして呑気にミルクティーを吸い上げ惚ける望
雅はそんな望に、ふざけるなと掴みかかった
プールサイドで眩しいふたりのファイトは、防犯カメラから館内をチェックしていた渚の目に留まらないわけもなく、まんまと望の気まぐれに巻き込まれた雅に制裁を加えた渚は、後に望にも千隼のことを訪ねていた
しかし望が渚に返した返事はこうだった
"えー、オレも姫に会いたい♡"
何かを知っているはずの望のその返事は、それを知る雅には不可解そのものだった
「……♪」
「ふざけんな、時間ねぇんだよ!!」
焦る雅が無言のままニヤつく望のカラダを揺さぶる
しかし、
「はあ?」
「っ!?」
ようやく口を割ったと思いきや、突如返されたそんな返事に雅は手を止め目を丸くする
さらには望から向けられる蔑むような視線
「そもそも…そんなに心配ならなんでひとりになんてしたわけ」