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ネムリヒメ.
第23章  薔薇の刺、棘の鎖.




「……!!」


雅は望の核心を突いた言葉に表情を強張らせた


それは…

確かにそう言われても仕方がないことだった


「ま…したくてしたわけじゃないだろうけど」


そんな雅を見て望は鼻で笑う

そして雅を見据える瞳が妖しく細められた


「揃いも揃って何してるかな、お前だって知ってるだろうに…。ここには良くも悪くもたくさんの人が集まるから、"色々"あるって…」

「………」

「おそらく、今夜もこのどこかで趣味の悪いオトナが集って、あんなモノやこんなモノに札束積み合ってる。

ね、姫がそういう惨事に巻き込まれるとか考えなかった?巻き込まれたら最悪どうなるかぐらいわかってたよね」

「ッ…!!」


責めるような、嘲るような望の口調に雅はギリッと歯を噛み締める

頭を過るのは悪いコトばかりだ

しかし、ここで弁明したところでなんの解決にもならないのは解っている

ただの時間の無駄だ

落ち着け、オレ…

なに考えてるかわかんねぇ頭んなか宇宙の望のペースに持っていかれるな


必死に己を落ち着かせようとする雅


…だが、


「…だから捜してんだろ!!つーか、テメェはなんでさっきからそんなに呑気なんだよ。姫、姫ってうるせぇクセに、なに考えてんだ望!!」


散々振り回され、様々な憤りから雅はそう言わずにいられなかった

が…


「まぁまぁ、落ち着きなって雅。これ貰って気分いいから、もう許してあげる♪」

「は!?」


渚に差し入れられたミルクティーの氷を鳴らしながら、ころっと表情と態度を一変させる望に雅は眉を寄せる






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