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淫らデッサンに疼く人妻
第3章 近崎絵画教室
「急に話をふられても~。んっと~、近崎所長の言ってる通りだなぁ。最初は、私も緊張したよ。でも、1回経験しちゃえば、別に裸になることって、どうってことないんだよね」
「……と、まぁ、こんな風に話される方が、ほとんどなんですよ」
 美雪の言葉を引き取って、近崎が言う。
「そして、すごくやりがいを感じていただけるかと思います。描き手さんから、ご自身の身体を称賛されるわけですからね。モデルさんと描き手さんとは、言葉を交わさなくても、通じ合う何かがあるのですよ。デッサンというのは、この二者の協力と信頼関係の上で成り立ちますから。また、裸になる開放感が素晴らしいという意見もよく聞きます。こういった点も大きな魅力だと思いますね」
 近崎はここでまた言葉を切り、腕時計を確認する。
 そして、茜たちに尋ねた。
「お二人とも、まだお時間大丈夫ですか? 恐らくほんの数分で済むと思いますんで」
「はい、問題ございません」
 茜がそう答えると、美雪は「右に同じでーす」と言って同意を示した。
 表情が明るくなる近崎。
「それはありがたいです。では、これから実際に教室へ行って、細部をご説明いたしますね。こちらへどうぞ。向こうのお部屋が教室ですよ」
 近崎はそう言うと先頭に立ち、奥のドアから廊下へと出た。


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