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淫らデッサンに疼く人妻
第3章 近崎絵画教室
 再び事務室に戻った三人。
 近崎がもう1脚、椅子を組み立てて用意してくれたので、茜も美雪も座ることができた。
 テーブル越し、二人の真向かいに腰掛けた近崎は、二人の前に置いたコップに水からお茶をいれ、さっそく話し始める。
「さて、これがモデル募集要項のパンフレットですよ。このパンフレットの中には、先ほどご説明いたしましたことも、細かく網羅されておりますので、ご自宅で改めてご確認いただけると幸いです。それでは、募集要項について、口頭でもさらっとご説明させていただきます」
 長方形のパンフレットを茜に手渡しつつ、近崎は言った。
 それはさほど分厚いものではなく、すぐに読み終えることができそうだ。
 茜はパンフレットに視線を落としながらも、近崎の話に耳を傾けた。
「美雪さんからお話はお伺いかもしれませんが、うちではモデルさんに関しては女性のみ、描き手さんに関しては男性のみを募集いたしております。そちらのパンフレットに詳しく載せておりますが、デッサンモデルとしては女性が一般的であること、また、監督者である私の画風が少々荒々しいために女性の描き手さんの指導には不向きであること、などがその理由です。モデルさん、描き手さん、どちらに関しましても、うちでは未経験者歓迎でして、特にモデルさんに関しましては、1日のみのモデル台登壇も可能ですし、最初は1コマからの参加も歓迎させていただいております」
 ここで近崎は言葉を切り、茜の反応を見た。
 茜は「なるほど」と頷き、話の続きを待っている。
 近崎は、こころもち重い表情になって続けた。


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