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そして、花開く
第8章 ~ 7 ~
聡は今、リビングのテーブルの前で正座をしたまま硬直している。
目の前には、清香と清貴、そして大樹が同じテーブルの向こう側に並んでいた。
全員が一同に会すのは初めてだ。
和やかな席ならいいが、そんな雰囲気は微塵もない。
清貴は難しい顔をしていた。
『まず。聡は清姉と先輩が結婚すると思ってます』
いきなり清貴が告げると、清香と大樹が顔を見合わせた。
数秒後、清香が勢いよく吹き出す。
『なんで?なんで?聡ちゃん!どうしてそうなったの?』
『……昨日清の店に行こうとしたんだけど、清から清姉が大事なお客さまを連れて来ることになってるって、アンタのシスコンも、終わりを迎えるわねって聞いたんだ』
『あれは…』
『清貴は黙ってなさい。聡ちゃん、続けて?』
『で、清姉と大樹さんが一緒に歩いてるのを見て…あ~二人が結婚するからか~って』
『……説明が曖昧過ぎるものね』
そこまで言って、清香が清貴に拳骨を振り降ろす。
鈍い音がした後、清貴が音にならない悲鳴を上げて、床に転がった。