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そして、花開く
第9章 ~ 8 ~
『お前は何でもかんでも自己完結しようとし過ぎだ。先輩と付き合ってるんだろ。お前の心配と、先輩の希望、ちゃんと話し合って擦り合わせていかないと、先々までお前は悩む事になる』
『擦り合わせてって言っても…』
『俺たち姉弟みたいな深い付き合いをしたことないから、お前が悩むのは分かる。けど、恋人に遠慮ばかりされたら、虚しいだけだ』
真顔だった清貴が、ニッと企み顔で笑った。
『やることやってんだろ?何を遠慮ばかりする必要がある。身体も晒したなら、心もさらけ出せよ』
ん?と笑う清貴の言葉に、聡の顔がみるみる赤くなる。
耳まで赤くして俯く聡に、清貴は笑みを消した。
『ちょっと。まだヤってないとか言わないよな』
『五月蝿い!こんなトコで、そんな話すんな!!』
『信じられない…1ヶ月以上経つのに、まだとか』
だから放っておいてくれ!と反論する聡には目もくれず、突然清貴が持っていたバッグをゴソゴソと漁り出す。
そして可愛らしい小さなポーチを取り出すと、それを聡に差し出した。
『な、何だよ。急に』
『俺のお守り。未使用だから』
ポーチを開けて、聡が絶句する。
中身は小さな小瓶とゴムだった。
『清貴っ!』
『何だよ、必要なんだぞ?男は濡れないからな』
『いや、そうじゃなくっっ』
『前に話した事あったろ?どうするのか。もう一回説明し直すか?』
真顔でそんな風に言うものだから、聡は頭痛がするような気がしてこめかみを押さえた。