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そして、花開く
第8章 ~ 7 ~
肩口に口付けながら、ゆっくりと動かし始めた。
『っ…ん、大樹さ…っ』
『何を勘弁して欲しいって?』
『聞いてたんですか…っ、ぁあ』
湯気が視界を曇らせていく。
シャワーの熱と体内を巡る熱で、思考にも霞が掛かったようだ。
大樹から身体を反転させられ、向かい合う形になる。
かたく屹立したモノを緩くしごく指は、敢えてそのままにして、大樹が目の前で薄く笑う。
『ちょっ…んぁ……大樹さんっ』
『どうした?』
大樹の胸に手をつく。
小さく、やだ…と呟くと、大樹が聡の口唇を奪った。
シャワーの音に紛れて、口付けなのか、それとも自分のからなのか分からない音がバスルームに響く。
口付けと、大樹の指から紡がれる快感が、もどかしさとなって身体の中を暴れ回る。
『っは…大樹さんっ、んっ…も…ぅゃだ』
子供じみた言葉しか出ないが、大樹は察してくれたらしく、自身と聡のとを一緒に指を絡めた。
『聡も…』
そう言って聡の手を引き、大樹のモノに導く。
触れた途端に大樹の熱が更に増し、大樹が目を伏せた。
少し眉根を寄せ、小さく息を吐き出す。
上気した頬と、その切なそうな表情が色っぽくて、心臓が大きく音を立てた。
不意に視線が絡み合う。
どちらともなく口付け、手の動きが加速する。
シャワーと大樹の熱に溶かされてしまいそうな感覚に陥りながら、聡はギュッと閉じた目蓋の裏で何かが弾けるのを感じていた。