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そして、花開く
第8章 ~ 7 ~

(あんなの…)

自分が知っている事とはまるで違った。
とは言っても、清貴の体験談の受け売りにすぎないのだけれど。

頭から冷水を浴びているのに、身体が熱を帯びていく。
思い出すまいとすればするほど、大樹の指や口唇の感触が思い出されて仕方なかった。

男性同士がどう愛し合うのか、清貴のノロケ話等から、聞きたくなくても知っていた。
でも聞いていた物とはまるで違った。

所謂、最後まではいかなかったのだ。

正気を失うかという程、大樹に愛され散々に泣かされた。
指で、手で、口で。

なのに。

『もう…勘弁して欲しい…』

頭や身体は冷えているのに、聡自身は熱を帯びて緩く起ち上がっている。

はぁ、と熱っぽい溜め息を吐くと、後ろから急に手が伸びて、冷水が温水に変わった。

『聡…風邪ひく』
『大樹さんっ…ちょっ』

緩く起ち上がったモノに軽く指を掛けられ、身体がビクリと震える。

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