この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そして、花開く
第8章 ~ 7 ~
(あんなの…)
自分が知っている事とはまるで違った。
とは言っても、清貴の体験談の受け売りにすぎないのだけれど。
頭から冷水を浴びているのに、身体が熱を帯びていく。
思い出すまいとすればするほど、大樹の指や口唇の感触が思い出されて仕方なかった。
男性同士がどう愛し合うのか、清貴のノロケ話等から、聞きたくなくても知っていた。
でも聞いていた物とはまるで違った。
所謂、最後まではいかなかったのだ。
正気を失うかという程、大樹に愛され散々に泣かされた。
指で、手で、口で。
なのに。
『もう…勘弁して欲しい…』
頭や身体は冷えているのに、聡自身は熱を帯びて緩く起ち上がっている。
はぁ、と熱っぽい溜め息を吐くと、後ろから急に手が伸びて、冷水が温水に変わった。
『聡…風邪ひく』
『大樹さんっ…ちょっ』
緩く起ち上がったモノに軽く指を掛けられ、身体がビクリと震える。