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そして、花開く
第9章 ~ 8 ~
忙しくしていた夏が終わり、夜になると涼しい風が、窓から入ってくる。
聡の家のベランダには、色とりどりのペチュニアの他にも、小さな向日葵や、アイビー等といった植物が置かれている。
窓のサッシに座り、聡は先程から植物たちの世話をしていた。
【植物は良いわよ。心に潤いが生まれるの】
目をキラキラさせて語っていた清貴の言葉が蘇る。
確かにそうかもしれない、と聡は思い始めていた。
大樹がよく聡の家に来るようになってから、聡は自ら大樹を誘い花の苗などを買いに行くようになった。
自分でも驚きを隠せないが、思っていた程難しくも面倒でもないと感じている。
(清には感謝だなぁ)
そんな事を思っていると、インターフォンが鳴った。