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そして、花開く
第3章 ~ 2 ~


『大丈夫よ、今日は夕方まで私もいるし、今から配達は私が行く予定。
由紀恵も今日は包装要員で雇ってます。
あと10分もすれば、バタバタしながら来るでしょ。服部くんも、ブライダルの打ち合わせは午後からだったわね』


白いブラウスに、紺のタイトスカートの女性は、有田の方を見ずに各々が担当する注文書をボードに挟んで、手渡す。

緩くパーマを掛けた髪を1つに結び、薄化粧で気が強そうではあるが、キリリとした美しさがあるこの女性は公私共に有田のパートナー、副社長兼妻の有田  美空だった。

名前を呼ばれた営業社員の服部  勇介は、美空にボードを受け取りながら、今日の打ち合わせ予定を美空に伝える。


『そう、ありがとう。愛花ちゃんはいつも通り店内業務を。
町田くんは、午前中斉藤さまと右田さまの商品が届くから、服部くんと一緒にそれを終わらせて。午後からはお中元の商品リストが届くから、その発注と在庫管理をお願いね。
という訳で、社長がいらっしゃらなくても店内は回りそうですので、どうぞ気兼ねなく出張へ』


テキパキと指示を与えると、美空はさっさと配達の荷物を抱えて店を出ていく。

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