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そして、花開く
第4章 ~ 3 ~


昔は早く時間が過ぎればいいと、切に願っていた。

学校が終わった後、ふと一人でいる瞬間に母が離した手の心細さを、思い出してしまうから。
だから早く大人になりたい、早く時間が過ぎればと願っていた…。


『こんな事なら、もっと体力付けとくんだった…』


心細さを一人噛み締め、部屋の隅で鬱々としていた時間を、何かしら運動に回すんだった、と今更ながら思う。

あの当時は、ああやって時間を過ごす以外、思い付きもしなかった。
何とも身勝手なもんだと思っても、後悔が口をついて出る。


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