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そして、花開く
第4章 ~ 3 ~
『なら、行くね』
『うん、ありがとう。……あ、清姉』
『ん?何?』
思わず先程の黒服の事を聞きそうになり、躊躇する。
清香はこの店に良く通っているので、知っているかもしれない。
『あの、目付きの悪さが半端ない黒服って…』
『あ~、目付きの悪い残念イケメンの大樹くん?』
『ブッ!』
噴かずにはいられなかった。
『大樹くんがどうかした?』
『いや、……さっき転びそうになったの助けてもらったんだ』
『………そう!彼見掛けによらずいい人だからね~。黒服が足りなくて困ってるって言ったら、仕事終わりに飛んで来てくれたって、さっき貴が言ってたし』
『へぇ~』
本当に見掛けに寄らない、と言いそうになって、グッと堪える。
そして、やはりあの日見たのは、彼で間違い無さそうだった。