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そして、花開く
第4章 ~ 3 ~
清香と別れて、二階への階段を上る。
と言っても、二階にはテラスと廊下と踊り場しかなく、吹き抜けになっている為、爆音と照明からは逃れられそうになかった。
二階にも人はいたが、大抵が二人で話したり笑い合ったりしながら、一階の様子を眺めている様だ。
カチャリと小さな音を立てて、テラスのドアを開ける。
ヒュッと風が中に吸い込まれ、聡は慌ててテラスへと出た。
音が小さくなり、人の声は外に集まっている人のものしか聞こえない。
テラスはガーデンテーブルが一つ置いてあるだけで、後は大人が四人立てば狭苦しく感じる程の広さしかなかったが、一人で過ごすには充分だった。