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そして、花開く
第4章 ~ 3 ~
『そんな顔しなくても。取って食いやしないし、別に個別リンチとかでもないから、安心しな。松田さんも行く?』
『耕一、愛花ちゃんはまだ未成年』
『え~。美空が行く?』
『社長が行くんでしょ?女性はね、仕事上がりは忙しいのよ。愛花ちゃん、お疲れさま。帰って良いわよ。町田くんも、オッサンの暇潰しに付き合えないなら、断っていいから。じゃ、お疲れ』
美空がさっさと愛花をつれて、その場を離れてしまう。
葉嶋はそんな様子を見て、肩を揺らして笑った。
『美空は変わらないな~。で、どうする、お二人さん』
『お前はいつも突然過ぎる。ったく、付き合うに決まってるだろ。ね?町田くん』
美空曰くの『オッサン』二人から、期待が込められた眼差しを受ける。
今日は大樹に接触を計るのは難しそうだ。
花も心配だが、どこかでまた話をしたいと思う自分が居た。
だから尚更、ガッカリとも言えなくはない感情がある気がする。
ただ、この二人の学生の様な感じも、見ていて嫌いではなかった。
そんな自分に不思議さを覚えながら、聡は二人にニッコリと微笑んだ。
『お二人の驕りなら、喜んで』