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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~
食事の合間、大樹が急に実家の事を話始めた。
実家は華道の家元であること、自分はそこの次男坊で家業に携わらなくてもいいと言われている事などを教えてくれた。
『家はもう兄貴が継いでるし、次男の俺は好きなことさせて貰ってる。その代わり、毎月定例会つって今日みたいに実家帰らなきゃいけないけどな』
『そうなんですか…あの、何故俺にそれを?』
『ん?何でだろうな。聞きたそうな顔してたから?』
『!っすみませ』
『嘘。俺の事を知って欲しかったから……聡に』
そう言った大樹は、特別態度を変える事なく、ウェイターが持って来た食後の珈琲を受け取っている。