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貶女(おとしめ)
第21章 【貴子 side】
十数年の人生でこれほどの痛みを感じたことのない貴子は、ただひたすら猿彦にしがみつき、その背中に爪をたてた。

猿彦はといえば背中の痛みなど全くといっていいほど苦にせず、乙女の結界を突破することだけに集中している。

「うおおおッ!」

「ぃいい─────あああッ」

その瞬間、貴子は『ブチッ』という音を聞いた気がした。



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