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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
 受付でも簡単な書類にサインをし、告げられた番号の通路へ向かう。
 狭い廊下には小さな待合用のソファベンチがあり、そこには小柄な女の子がひとり、ちょこんと座っていた。

 どうやら先客らしい。
 小さなベンチだから、隣りしか空いていない。

 軽く会釈を交わして、俺は彼女のすぐ横に腰を下ろした。

「キミも救助されたばかり?」

 自分と同じ用事でここにいるのだろうと見当をつけて、話しかける。
 だが、返ってきた答えは意外にも違っていた。

「いいえ、半年ほど前です。医療センターで働いています」

「ありゃ? そうなんだ。てっきりボクと同じでこないだ救出されたものかと……」

「先週ここに来た方ですよね。健康診断の時、お見かけしましたよ」

「えっ……そうだったんですか。よく憶えてますね」

「うふふっ……ちょっとカッコイイなって思ったから……」

 ドキッとする。
 よく見ればこの子も可愛い。
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