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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
 10代後半か……20ちょいの俺より、まだ年下だろう。
 幼いというか、あどけない顔立ち……。

 高校を卒業すると、それまで違和感なく見ていた高校生の女の子たちが子供っぽく見えるのは何故だろう?

 まだ平和だった頃、そんな事を考えたことがあるのをふと思い出した。
 そういえば、宇宙人たちに襲撃されたのはちょうどその頃だった……

「ねえ、黙り込まないでよ……テレちゃうじゃない!」

 彼女がころころと笑いながら言った。
 全然照れているようには見えなかったが。

「あ、ああ……ごめん! ふと懐かしくなっちゃってさ」

「何を? もしかして恋人のこととか?」

「違うよ! そんなんじゃないよ! ただ……元の生活とかさ」

「あ……そっか。ごめんなさい……あなたはまだ救助されたばかりだものね。心も癒されていないのに不躾なことを言ってごめんなさい」

 彼女が頭を下げる。

 その仕草もそうだが、この物言いといい、どこか大人っぽい。

 もしかしたら見た目より上の年齢なんだろうか。
 それとも、ここでの社会生活が、実際よりも大人びた態度を身に着けさせたのだろうか。
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