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真夜中の贈り物
第8章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 前編
「御庭番……? だからどーだってんだ!」

「すなわちゲロッ……本職は庭師の忍者なのじゃがあっ!」

「ワケわかんねー事……言ってんじゃねえっ!」

「ゲロロロッ! 喰らえいっ! 花遁、五月雨花吹雪(さみだれはなふぶき)!」

 ジャガマルが宙に跳び出し、一度に無数の花手裏剣を放つ。

(チャンス!)

 襲いかかる手裏剣の雨にもかかわらず、キオはほくそ笑んだ。
 空中に跳んだのは失策だろう。宙空では方向転換が効かない。

「あばよっ!」

 ここぞとばかりに地を蹴り、腰の剣を抜き払ってジャガマル目掛けて跳びかかる。それで勝負を決めるつもりだった。

 しかし!

「ゲロヒヒヒ……拙者の手裏剣が花の形をしただけの手裏剣だとでも思ったか?」

「なにっ?」

 ヒュンヒュンと風を切る音がしたかと思うと、空中のキオ目掛けて四方八方、目にも止まらぬ速さでツルが伸び、絡み付いた。

「ぐわああっ! なっ……なんだこれは!」
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