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真夜中の贈り物
第8章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 前編
「ゲロククク……お庭忍法、蔓鼬(ツルイタチ)! 花手裏剣のツルを急速成長させたのじゃがあっ!」

「なんだとおっ!? くっ……畜生っ……動けねえっ」

 両腕を身体ごと巻き縛られ、脚もそれぞれツルに絡みつかれてしまっていた。

 まるで蜘蛛の巣にかかった蝶のよう……いや、もっとたちが悪い。蜘蛛の巣は絡み付いた獲物を締め上げたりしない。

「うあああああっ!」

 ギリギリと肉に喰い込む戒めの縄と化したツル。
 その万力のような力にキオは宙ぶらりんとなった姿勢のまま、悲鳴を上げた。

「いーい泣き声じゃが。拙者の勝ちゲロッ!」

 岩棚からぴょんと跳ねて、ジャガマルがキオの頭の上に飛び乗る。

「てっ……てめえっ……! おっ……降りやがれ!」

 屈辱の怒りに頬を染めるも、キオには怒鳴ることしかできなかった。
 ジャガマルはどこ吹く風でぴょんぴょんと二度三度、軽く跳び跳ねてみせる。

「降りるものか……この術の見所はまだまだこれからじゃが!」

「見所……だと?」

「ホイッ!」

 ジャガマルが前屈みとなって、キオの両の乳房をペタリと掴んだ。
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