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真夜中の贈り物
第10章 朝恋っ!

 恥ずかしすぎて目を閉じてしまった所に、口づけが来た。

「ンッ……」

 ちゅく……ぴちゃ……

 下と同じ水音。
 しばらくの間ふたりは水音を立てる作業に熱中する。

(亮太のキス……好き)

 上唇、そして下唇……亮太は順番に、丁寧に愛してくれる。
 ガッつくような吸い方をしない。
 少しずつ少しずつ、雪希を融かして、唾液に変えて、それを口の中に流し返してくれるようなキス。

 舌と舌が絡み合う頃には、雪希はもう春の陽差しに溶けた雪解け水にされてしまう。

「あ……ぅっ……りょ、亮太ぁ……ンッ……ちゅっ……」

「雪希……好きだよ……愛してる……」

 そして、ちゃんと言って欲しい所で亮太はそう言ってくれるのだ。

 亮太の愛の言葉に、雪解け水は悦びの飛沫を上げ、もっととねだるように、奪いやすいように、舌を奥へと挿し出して、吸って貰うことを切望する。
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