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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
「大丈夫?」

 ……な、わけないだろ!
 だが、俺は心を決めると笑顔を作ってみせた。

「始めてください……大丈夫です」

 と、言ったはずだったんだが。
 実際には、

「始めてください……ダイジョブです」

 に、なっちまった。ちぇっ!

 だが、そこまでのやりとりなど可愛いものだった。
 インターホンに呼ばれて現れた「教官」の姿を見て、再び俺は動転することになる。

「ハ……ハルカちゃん!」

 果島ハルカ……待合ベンチでお喋りしたあの少女が、ピンク色のナース服のようなものを着て、にこやかな笑みを浮かべて入って来たのだ。

「あら、ちゃんづけだなんて失礼ね。これでも私、キミより年上なのよ」

「ええっ!?」

「周りにも言われるけどねー、ロリ顔だって」

 何と答えたものやら。

「そ、それは……すいません」

「いいのよ。でも……太陽クンは年上のお姉さんはキライ?」
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