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第2章 教官は世界の果ての　前篇

「さあ、いくわよ！　耐えてみせなさい！」

　ハルカが再び顔を埋めた。

「くっ……畜生っ……わかったよ！」

　怒鳴られた一瞬のインターバルにもかかわらず、そこはいや増す熱を放ち、ハルカの唇を焼く。じゅるじゅると迸る淫らな唾液がそそり立つ肉の塔をすべり、流れ落ちては、ハルカの下にすくい上げられる。

「ハ……ハァ……ハアッ！　ハアッ……」

　俺は荒い息を継いで、必死で快楽の奔流を耐え凌ごうとする。
　守る……俺は……人類を……ここに生き延びた人たちを……未来へと命を繋いでゆく恋人たちを！　……ハルカを！

「来いっ！　もっと来いよ！　教官！」

　ずちゅうううううっ！　ぢゅぱああああああああっ！

　俺の放った怒号に呼応したハルカの深度が喉奥にまで達した。
　わかる。肉先が触れる感触、その周りの狭い隙間。ギリギリの深さだ。

　包み込まれ、唇の粘膜にずるずると擦られ、「俺」の全てが貪欲に喰らい尽される。

「く、ああああっ！　ああっ……ああああ、ハルカッ……ハルカアアアアッ！　もっと……もっと……！　もっと……ああああああああああああああっ！」

　ハルカが精嚢を包み込んだ手に力を加えた。

　同時に、咥え込む唇を締め、密着を強めたままロケットの打ち上げの様に離陸する。切り離しの瞬間には舌を泳がせて……。

「ああ、ああああああ、あああああああああああああああああっ！」

　亀頭にねっぷりと絡み付く舌の感触に誘われて、俺は達した。