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恋花火
第11章 HERO
正面玄関から教室へ向かい


教室についても美波の質問攻めは終わらない。


「美波の教室隣でしょ。早く戻らなきゃ朝のホームルーム始まるよ。」


渋々美波は自分の教室へと帰って行った。


いつもは学校へ着くと、タケルの姿を見かけたりしてなんともいたたまれない気持ちになるけれど


今日は


"もう大丈夫だよ"


陸先輩の笑顔と、はにかみ笑いが頭に浮かぶ。






放課後、部活へ行くと


いつもの通りキャプテンの顔をした陸先輩がグラウンドにいた。


「…あ、お疲れ。」


いつもと違うのは、声掛けの時に笑顔を向けてくれたということ。


「ちょっとちょっとー!なに!?陸先輩なんであんただけに笑ってんのー!?やっぱあやしい!」


美波が興奮まじりに話しかけてきた。


今朝あったことを説明すると、美波はまたまた興奮していた。


「なにそれ!めっちゃイケメン!」

「ねぇ、ほんと。」

「惚れてまうやろー!!」


盛り上がっていたら、「うるさい!」ってユリ先輩に怒られた。


今のは本当に私たちがうるさかった…反省。


こうして見てみると、茜先輩と陸先輩は本当に友達らしい。


今まで意識して見てこなかったけど、二人のやり取りにはいやらしさが全くない。


…いや、今は茜先輩はタケルと付き合っているので、いやらしさがあったらダメなんだけど。


部活が終わって、そのあとは文化祭の準備。


文化祭の準備が終わったのは20時30分。


終電まであと15分なので、猛ダッシュで駅へと向かう。
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