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だから僕とセフレになりませんか
第4章 ミルクティの憂鬱
「遅れちゃってごめんね」
精一杯可愛く言ったつもりだ。ちょっとばかりの上目遣いを忘れずに。
どうだ、私だってやれば出来るんだ。

「...別にいつもそうだろ」
ジンは私から目線を外し煙を吐いた。

暫し、沈黙。私、柊木アヤノとしては居心地がいいのだけれどレイとしてはこの空気は溜まったものではないだろう。
何かアクションを起こさなければと思ったところで、目の前にロイヤルミルクティが置かれた。

いつもの癖で店員に有難うと言ってしまう。
まあ、その辺、レイちゃんも言うという事にしよう。
礼儀正しいんだよ、レイちゃんは。レイだけに。笑えない。

そして目の前に置かれたロイヤルミルクティはもっと笑えない。

ジンは静かにテーブルの横にあるシュガーポットを私の目の前に置く。

使えってことでしょ?
私はそれをとり、山盛り2杯の砂糖をそこに入れた。


ホント、こんなの、飲み物じゃない。


自分で設定した今日のレイちゃんに殺意が沸いた。
相変わらずジンはこちらを見て笑っている。彼の目の前にあるアイスコーヒーが憎い。

そしてやっぱり目の前にいる彼はこの間の彼と随分違っている。
ついついじっと見てしまうのは仕方のないことだろう。
髪が明るくなるだけで随分とチャラそうに見える。


「何見てんだよ」

ジンは私の額を軽く叩いた。
本来の私なら叩き返すとこだが今日のレイはそんなことをしないだろう。


「じんくん、そうやってすぐ叩くよね!」

「お前が無駄にこっち見てっから」

私は額を自分で撫でて痛いアピールをした後、砂糖の沢山入ったロイヤルミルクティを飲んだ。
あー、ジンの目の前にあるアイスコーヒー飲みたい。


ジンが4本目の煙草に火をつけたところで彼の口が開く。

「で、何処行く?」

「えっとー」

「決めてねーの?」

ジンは深くため息をついた。
だって呼び出したのあんたじゃん。レイならが思わないだろうが私はそう思った。

ふとジンの腕時計を見る。
この間もしてた?いやしてなかった? あまり覚えてないけど時計の針は丁度12時。


「じんくん。とりあえずランチしよ」

「どこ?」

「えっと。新しくできたイタリアン」
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