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だから僕とセフレになりませんか
第4章 ミルクティの憂鬱
駅前に新しくイタリアンができたのは知っていた。ただ開店早々に行くことはあまりしない。
少し経って周りの情報を聞いてから行くか決めるのは私の普段のスタイルだ。
行ってみて良くなかった。というのは出来るだけ避けたい。


喫茶店から出るとジンは私の持っていた鞄を取り上げて私のいる側とは反対の手に持つ。

いるいる。彼女の鞄持つ男。
私は貴重品の入った鞄を人に持たれるなんて御免だがまあ仕方ない。

ジンの空いた腕に自分の腕を絡めた。
こんなことしたことない。何か新鮮。

ジンはゆっくりと歩く。
馴れない高めのヒールをはいた私にとってはかなり助かった。


小さなイタリアンレストラン。小洒落た内装でメインターゲットは丁度私たちの年齢くらいだろう。
すんなりと席に案内されたが帰る頃に列をなしていたのでタイミングがよかったんだと思う。

テーブルの上にはランチメニューとは別にドリンクメニューがあった。
ついついそちらを見てしまう。
結構ワインの種類が豊富。普段なら飲むのは当たり前だが今回は諦めよう。
それを閉じたときジンと目が合った。

「じんくん。どうしたの?」

「別に」

ジンは何事もなかったかのように視線を手に持っているメニューへと戻した。
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