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だから僕とセフレになりませんか
第4章 ミルクティの憂鬱
「で、次は?」
珈琲を飲みながらも煙草を吸うジン。
少し面倒そうに話す、その姿はだんだんと見慣れてきた。
最初の喫茶店でこそ、違和感がいっぱいだった。
しかし今目の前にいるのは芹沢ユウトではなくジン、そして私は柊木アヤノではなくレイ。
爪の装飾も、この少し短めのスカートも、ヒールの高い靴も、甘ったるい話し方も、全て私だ。
「じんくんと一緒に映画、見たいな」
「映画?」
「うん、映画」
「映画か」
「そう、じんくん好きでしょ?」
「え?」
「じんくんは、映画好きだよねって」
「ん」
「私はじんくんと映画見るの好き」
「知ってる」
「あとは、ケーキも好き」
「何が好きって?」
ジンはスマホを弄りながら私と話をしている。
適当な相槌を打ちながらも、たまに私の聞いていなくて聞き返してくる。
聞き返してくるってことは一応は聞いてるってことなんだと思う。
聞き流してない、ってこと。
「ケーキが好きなの」
「ああ。知ってる」
「あとはねー...」
私のどうでもいい(私自身も本来はどうでもいいとおもっている)話が終わったところでジンは見ていたスマホをポケットにしまった。
店員を呼んでチェックをお願いした。
ジンは当たり前のように二人分の料金を出す。そこで先ほどのカフェでも払って貰っていたことに気付いた。
「私、自分の分払う」
「いい」
「私のほうがいっぱい食べちゃったもん」
「俺が食わせたんだからいいんだよ」
「でも」
「しつこい」
「...ありがと」
「最初からそう言えよ」
「ありがと!」
とりあえずは払ってもらう事にした。
後で返せばいいだけ。
お店を出て、私はまたジンの腕を抱きつくように掴んで歩いた。
映画館はここから電車で1駅。あのバーの最寄駅だ。
電車の中では顔を見合わせながら談笑。
私はジンの服の袖を掴んで、ジンはたまに私の頬や肩を触れながら話す。
あからさまにうざったいカップル。
距離が近いから先ほどまで彼が吸っていた煙草の香りがした。
珈琲を飲みながらも煙草を吸うジン。
少し面倒そうに話す、その姿はだんだんと見慣れてきた。
最初の喫茶店でこそ、違和感がいっぱいだった。
しかし今目の前にいるのは芹沢ユウトではなくジン、そして私は柊木アヤノではなくレイ。
爪の装飾も、この少し短めのスカートも、ヒールの高い靴も、甘ったるい話し方も、全て私だ。
「じんくんと一緒に映画、見たいな」
「映画?」
「うん、映画」
「映画か」
「そう、じんくん好きでしょ?」
「え?」
「じんくんは、映画好きだよねって」
「ん」
「私はじんくんと映画見るの好き」
「知ってる」
「あとは、ケーキも好き」
「何が好きって?」
ジンはスマホを弄りながら私と話をしている。
適当な相槌を打ちながらも、たまに私の聞いていなくて聞き返してくる。
聞き返してくるってことは一応は聞いてるってことなんだと思う。
聞き流してない、ってこと。
「ケーキが好きなの」
「ああ。知ってる」
「あとはねー...」
私のどうでもいい(私自身も本来はどうでもいいとおもっている)話が終わったところでジンは見ていたスマホをポケットにしまった。
店員を呼んでチェックをお願いした。
ジンは当たり前のように二人分の料金を出す。そこで先ほどのカフェでも払って貰っていたことに気付いた。
「私、自分の分払う」
「いい」
「私のほうがいっぱい食べちゃったもん」
「俺が食わせたんだからいいんだよ」
「でも」
「しつこい」
「...ありがと」
「最初からそう言えよ」
「ありがと!」
とりあえずは払ってもらう事にした。
後で返せばいいだけ。
お店を出て、私はまたジンの腕を抱きつくように掴んで歩いた。
映画館はここから電車で1駅。あのバーの最寄駅だ。
電車の中では顔を見合わせながら談笑。
私はジンの服の袖を掴んで、ジンはたまに私の頬や肩を触れながら話す。
あからさまにうざったいカップル。
距離が近いから先ほどまで彼が吸っていた煙草の香りがした。