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だから僕とセフレになりませんか
第4章 ミルクティの憂鬱
煙草と、薄い香水の香り。背中からジンに抱きしめられてた。
多分彼の胸にすっぽり埋まってる。

知らない男は舌打ちをして足早に去っていく。
上を見上げるとその知らない後姿に睨みきかせてるジンがいた。


「じんくん。痛い」

「レイの所為」

「わたしわるくないもん」

「レイが悪い」

彼は先ほどまで引きつかせていた顔をやんわりと緩ませて、私の頭をこつんと叩いた。
頬を膨らませる。ぶりっこな怒ってますよアピール。

「何そのブサイクな顔」

「私はじんくんみたいに顔整ってないもん」

ジンは私の鞄を取り上げて手を差し出す。その手をとって彼の横についてく。
先ほどよりも少し歩幅が大きくなっている。私は彼についていくので必死だ。

「早いよ。もっと、ゆっくり歩いて!」


彼は立ち止まって大きなため息をつく。
そして私にしか聞こえないような、いや、隣に私でさえも注意深く聞かないと聞こえないような声で呟いた。

「何でああいうのに引っかかるんですか」

それはジンではなく芹沢ユウトだった。
あんなことだけで怒ってんの? おかしいひと。

私はレイのままこう応える。

「え? じんくんだって最初に会ったのナンパだったよね」
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