この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
だから僕とセフレになりませんか
第4章 ミルクティの憂鬱
煙草と、薄い香水の香り。背中からジンに抱きしめられてた。
多分彼の胸にすっぽり埋まってる。
知らない男は舌打ちをして足早に去っていく。
上を見上げるとその知らない後姿に睨みきかせてるジンがいた。
「じんくん。痛い」
「レイの所為」
「わたしわるくないもん」
「レイが悪い」
彼は先ほどまで引きつかせていた顔をやんわりと緩ませて、私の頭をこつんと叩いた。
頬を膨らませる。ぶりっこな怒ってますよアピール。
「何そのブサイクな顔」
「私はじんくんみたいに顔整ってないもん」
ジンは私の鞄を取り上げて手を差し出す。その手をとって彼の横についてく。
先ほどよりも少し歩幅が大きくなっている。私は彼についていくので必死だ。
「早いよ。もっと、ゆっくり歩いて!」
彼は立ち止まって大きなため息をつく。
そして私にしか聞こえないような、いや、隣に私でさえも注意深く聞かないと聞こえないような声で呟いた。
「何でああいうのに引っかかるんですか」
それはジンではなく芹沢ユウトだった。
あんなことだけで怒ってんの? おかしいひと。
私はレイのままこう応える。
「え? じんくんだって最初に会ったのナンパだったよね」
多分彼の胸にすっぽり埋まってる。
知らない男は舌打ちをして足早に去っていく。
上を見上げるとその知らない後姿に睨みきかせてるジンがいた。
「じんくん。痛い」
「レイの所為」
「わたしわるくないもん」
「レイが悪い」
彼は先ほどまで引きつかせていた顔をやんわりと緩ませて、私の頭をこつんと叩いた。
頬を膨らませる。ぶりっこな怒ってますよアピール。
「何そのブサイクな顔」
「私はじんくんみたいに顔整ってないもん」
ジンは私の鞄を取り上げて手を差し出す。その手をとって彼の横についてく。
先ほどよりも少し歩幅が大きくなっている。私は彼についていくので必死だ。
「早いよ。もっと、ゆっくり歩いて!」
彼は立ち止まって大きなため息をつく。
そして私にしか聞こえないような、いや、隣に私でさえも注意深く聞かないと聞こえないような声で呟いた。
「何でああいうのに引っかかるんですか」
それはジンではなく芹沢ユウトだった。
あんなことだけで怒ってんの? おかしいひと。
私はレイのままこう応える。
「え? じんくんだって最初に会ったのナンパだったよね」