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だから僕とセフレになりませんか
第1章 出会い
「延長いいですか?」

「ジントニック」

「了解です」

延長って。何その表現。
彼が席を外した間に、先程彼が話していた人たちが私を誘いに来たが断った。
ジントニックが来るのだから。


「やっぱりお姉さん、もてますね」

「こんなとこにひとりで来る女なんかナンパ目当てだと思われてるだけでしょ」

「はじめて相槌以外の返事しましたね」

「そうだっけ?」

「お姉さんはナンパ待ちじゃないでしょ。純粋に音楽とお酒が好きなだけ」

「そう」

「そして煩わしたい男女関係が大嫌いだ」

「何故?」

「匂いで分かります」

彼は笑っていた。

「でも欲求不満でしょ」

「違う」

「まさか。違うわけありませんよ、匂いで分かります。

 だから僕とセフレになりませんか?」

「は?」

この面倒そうな男から離れたくなった。
面倒そうなというのは違うかもしれない。
欲求不満。確かにそうかもしれない。
先ほど都合のいい相手は居なくなったばかりだ。

だが、初対面の相手に其処まで言われたくない。
私にだって、1ミリくらいはプライドがある。
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