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Complex
第2章 始動
新しい場所というのは、どことなく緊張する。
その久々な感覚を持て余しながら、友香はトレーナーの山口の言葉に耳を傾ける。

初日の今日はまずは現在の自分を知ること。
そこからトレーナーが友香のためにメニューを組むのだそうだ。
個人で好きなようにすることもできるそうだが、初めてのジム。
少し高かったけれども、専属トレーナーのつくプランに決めた。

分かってはいたけれど、体重と身長の測定から始まった。
体重計にのるときは躊躇いもあったが、向こうだってプロだ。
何人もの人間を相手にしているはず、と自分に言い聞かせて恥ずかしさを打ち消す。

山口と名乗ったそのトレーナーは20代後半くらいだろうか。
ポロシャツから覗く腕は血管が浮き出るほど引き締まり、褐色に焼けている。
短髪に刈り上げた髪も、逞しく鍛えられた体も男らしさの塊なのに、なぜだか彼には優しい印象を受けるのは穏やかに微笑む彼の目元に幼さが残っているからかもしれない。
大きくくっきりとした二重の瞳は、子供のように輝いているように見えた。

身体測定の後は、2人がけの丸テーブルに案内された。
紙コップに入ったお茶を飲みながら、問診が続く。

「小林さんの場合はー、そうですね。目標にもよりますが、細かい食事制限はなくても大丈夫でしょう。ただ三食きちんとバランスよく摂ってください。野菜、お肉、魚。野菜はスープにするとたくさんとれるし、それだけで満腹になるのでいいですよ。あと、お酒はしばらくは我慢しましょうね」
「いいんですか?なんか、きっちり言われるかと…」
「まぁ、きっちりした方がいいんですけど。急に制限しても続かないで影でごまかしちゃう人の方が多いんですよ。よっぽどの覚悟がないと、食事制限は難しいですよ。だから僕は食べるならきちんと食べる。あ、甘いものやお菓子食べたくなったら、週に一回にしてください。まったくなし、はきついでしょ?」

そう言って笑う山口は、ペラペラとカルテをめくる。

「平日の月曜から金曜まで週5日。これだけ通うならバランスいい食事だけで大丈夫ですよ。といっても、そのバランスのいい食事っていうのが一番難しいんですけどね。それに小林さんの体重増加の原因は運動不足とお酒のつまみですからね。そこを改善するだけで一ヶ月でかなり見違えますよ」

こんなに甘くて大丈夫なのかな。
友香は少しの不安を覚えた。
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