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初音さんの二十日間
第2章 14年後のマシュマロちゃん
「初音さん?」

ぼんやりとしていた私を、劣化なんて何語ですか?って若さと未来に溢れる若者が覗きこんでいた。

「疲れてるのに迎えに来てもらっちゃってすんませんでした」

「いやそれ、こっちのセリフだし。柊二くんこそ慣れない場所で疲れたよね」

「いやー、東京ってキラキラしてんすねー。すれ違う人みんな、ザ・ビジネスマンとかザ・OLさんとかって感じだったからビビった」

あなたも立派に『ザ・モデルさん』に見えたけどね。

「初音さんも、顔は変わってないのにザ・OLさんぽくて焦ったー」

「え、覚えてんの?14年ぶりなのに」

「覚えてるってー。お絵描きしてくれた優しくて可愛いお姉ちゃん。全然変わってないから顔見てすぐわかったっすよ」

どちら様ですか?ってぐらいの麗しき成長を遂げた柊二くんだけど、ニコニコと屈託ない笑顔を投げてよこす人懐っこさは変わっていないらしい。

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