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月下美人
第1章 月下美人 ープロローグー
「来たって…?」
「来いって言われたから来たんですよ!」
寝起きでなかなか飲み込められないのか、りさの言葉についていかない相手にとにかく訴える。
「神田さんが遊びに来いってずっと毎回言うから来たんです」
りさの電話相手は、神田という前に同じ事務所で働いていたチームリーダーだ。今は別の事務所の立ち上げで転勤となり、りさとは別々の事務所で働いている。
「まじか…」
「神田さんが言ったんですから、今事務所の前に居るので責任とって迎えに来てください!」
茶葉が太陽に照らされて青々と元気にすくすく育っている。
茶葉には収穫時期が様々あると聞いているが、青々として美味しそうに見える。
そんな茶畑しかない場所にりさの声が広がった。
自分がめちゃくちゃ言ってるのも分かってる。
だけど、自分が間違ってるとは思っていなかった。ただ、今の単純な生活から飛び出したかった。
神田が何かを言う前に通話終了のボタンをタッチし、通話を切った。
あとはとにかく神田を待つ。
来なくても待つ。
来なかったらなんてことは無いってりさはわかっていた。
神田は、そういう男だから。
情がある訳でも恋をしているわけでもない。
ただ、誘いに乗っただけだとりさは自分を宥めて真夏の太陽を見上げた。
「来いって言われたから来たんですよ!」
寝起きでなかなか飲み込められないのか、りさの言葉についていかない相手にとにかく訴える。
「神田さんが遊びに来いってずっと毎回言うから来たんです」
りさの電話相手は、神田という前に同じ事務所で働いていたチームリーダーだ。今は別の事務所の立ち上げで転勤となり、りさとは別々の事務所で働いている。
「まじか…」
「神田さんが言ったんですから、今事務所の前に居るので責任とって迎えに来てください!」
茶葉が太陽に照らされて青々と元気にすくすく育っている。
茶葉には収穫時期が様々あると聞いているが、青々として美味しそうに見える。
そんな茶畑しかない場所にりさの声が広がった。
自分がめちゃくちゃ言ってるのも分かってる。
だけど、自分が間違ってるとは思っていなかった。ただ、今の単純な生活から飛び出したかった。
神田が何かを言う前に通話終了のボタンをタッチし、通話を切った。
あとはとにかく神田を待つ。
来なくても待つ。
来なかったらなんてことは無いってりさはわかっていた。
神田は、そういう男だから。
情がある訳でも恋をしているわけでもない。
ただ、誘いに乗っただけだとりさは自分を宥めて真夏の太陽を見上げた。