この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
純の恋人
第10章 国重一の後悔
 
 こいつが俺を責めるのも当たり前だ。結局こいつの周りに集まっていたのは、身勝手な理由で傷を付ける男ばかりだったのだから。

「だが……だからこそ、もう過ちは犯したくない。許せとは言わない、恨んだままで良い。だが、こんな馬鹿げた人間の言いなりにはならないでくれ。お前自身が当たり前に持つべき自由を、俺は死んでも取り戻すと決めたんだ」

「そうしないと、経歴に傷が残るからですか? 犯罪を見逃したなんて、刑事からすれば不名誉ですもんね」

「違う! 全て言い訳に聞こえるかもしれないが、これが俺の覚悟だ」

 俺は懐から、昨日用意した退職届を渡す。それを受け取った純は、小さな声で呟いた。

「嘘……」

「嘘じゃない。今回、俺は自分がいかに傲慢か自覚した。思い上がった人間に、誰かを救うなんて資格はない。今日、お前を悪漢から取り戻したら、俺は警察を辞める」

「そんな……駄目です! 国重さんは、いつも正義のために、頑張っていたじゃないですか! 頑張っている人が報われないなんて、そんなの嫌で、私は――」

 純はそこまで言って、不意に口を閉じる。そして頭を抱えると、啜り泣いた。
 
/246ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ