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上野んちの親父が死んだ
第1章  
 ・・・へへへ。うぜぇだろ?キミィとかキモすぎだし。

 そりゃ時給聞かれてカチンとはくるぜ?
 実際フリーターってのもあるしよぉ。
 でも・・・へへへ・・・。
 なんの仕事してんのかしんねぇけど、なんつうの?
 チップっつうの?
 毎回何千円かくれるんだよ。
 へへへ・・・そしたらさ、プライドもなんもないじゃん?

 “そりゃもう!うらやましいかぎりですぁ、自分には一生働いてもとてもこんなご立派な生活は!”
 ってゴマすって毎度毎度ヨイショしてたわけよ。
 俺も腹黒いだろ?へへへ。

 そーしたらあるときにさぁ。

 “金持ちになれる方法を知りたいかい?キミィ”
 って言ってきたワケ。

 うさんくせー笑
 って思ったけど、気持ちよくフンフン聞いてやりゃまた小遣いくれっかなぁって思って教えてくださいよーって食いついたわけ。
 
 そしたらソイツ案の定気分よくしてさ、

 “金持ちになる方法なんて簡単だよキミィ、本物の金持ちに取り入ったあと、交通事故を起こせばいいんだよ”

 って言ってきたわけ。

 意味わかんねぇだろ?
 最初はなんかの冗談かなぁって思ってたんだけど、でも指紋べたべたの眼鏡の奥にあった細い目がな、マジだったんだよ。
 そのオッサン。

 ちょっと怖いだろ?へへへ・・・

 それでさ。
 なんかやべぇ話聞いちまったのかもなぁって思って、俺はあざしたっ!って言って帰ろうとしたんだ。
 そんとき、オッサンが言ったんだ。

 “キミィ、自分にとって従順な人間だけは絶対に信用しちゃいけないよ、ははは”
 ってさ。
 


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