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上野んちの親父が死んだ
第1章  
 ・・・・へへへ。
 気味のわりー話きいちまったってカオ?
 そうなんだよ。
 
 だってそのオッサンの若い嫁な、オッサンがその話を俺にはじめてから、今までずっと俯いてたのにだんだん顔を上げてさ。
 最後のほう、ずっと瞬きもせずオヤジを睨んでんの。
 血走った目っつうの?
 赤ちゃんもずっと愚図ってるし・・・。

 なんか・・・なぁ?
 なんていうか・・・・わかるだろ?

 まぁ・・・それだけなんだけどさ。
 人形に巻き寿司食わすために出前頼んでくるババアに比べりゃつまんねぇ話なんだけど。

 でもさ・・・
 いや・・・なんつうの?

 昨日、そのうちから注文がなかったんだ。

 さっき別の出前でそのうちの前通ったらさ、ケーサツがいっぱいきてたんだよなぁ・・・
 黄色いテープとか家の前に貼られててさ。

 何があったかとかしらねーけど、どうもなぁ・・・。
 先週の去り際に聞こえた赤ちゃんの泣き声がどうしても耳から離れなくてさぁ・・・・。




 この話、帰り際もっぺん寄ってケーサツに話したほうがいいかな?

 お前、どう思う?













 


【おしまい】
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