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上野んちの親父が死んだ
第1章

俺の髪が金色から茶色になり、茶色から黒色になった頃、新しくはじめたバイト先の先輩から、こんな話を聞いた。
――――俺がよく出前に行くウチの話、お前にまだしたことなかったよな?
そのウチさぁ、そりゃあ、おっかしーんだよ。
・・・へ?
あー!
ちがうちがう、赤ちゃんのかたちした人形に巻き寿司食わそうとしてるババアんちのはなしじゃねぇよ。
そういうんじゃなくってさぁ。
なんつうのかなぁ。
なんの仕事してんのかしんねぇけどさぁ、なんつうの?
セキスイハイムの超でけぇ版みたいなすげぇ豪邸んちの話なんだ。
毎週日曜の晩だよ。ぜったい出前の注文あんの。
2人前な。特上。
家行くじゃん?
ピンポンすんじゃん?
そしたらすっげぇ若い女がいつも赤ちゃん抱っこして出てくんの。
年はじゅうごろくってったとこか。
地味ぃな女な。
あ・・・そいや、お前くらいかもな。
その女さぁ、赤ちゃんいるわりに、すげぇ暗い雰囲気なんだよ。
ほとんど俯いてて、声聞いたことねぇし。
それに赤ちゃんはいつも愚図ってんの。
でもぜんぜん興味なさげっつうか・・・抱っこしてるだけっつうか・・・。
それでな。
俺がその女から金もらってるときにさ。
奥から脂ぎった中年のデブハゲが出てくるんだ。
最初はその女の父親かと思ってたんだけど、すぐだんなだって分かって引いたよ。
え?
なんで分かったのかって?
こんなこと俺に言ってきたからなんだよ。
“でかい家に住んで、若い嫁をもらい、旨い寿司を食う。ははは、うらやましいだろう、ところでキミィ、時給いくらだい?ははは”
ってさ。
――――俺がよく出前に行くウチの話、お前にまだしたことなかったよな?
そのウチさぁ、そりゃあ、おっかしーんだよ。
・・・へ?
あー!
ちがうちがう、赤ちゃんのかたちした人形に巻き寿司食わそうとしてるババアんちのはなしじゃねぇよ。
そういうんじゃなくってさぁ。
なんつうのかなぁ。
なんの仕事してんのかしんねぇけどさぁ、なんつうの?
セキスイハイムの超でけぇ版みたいなすげぇ豪邸んちの話なんだ。
毎週日曜の晩だよ。ぜったい出前の注文あんの。
2人前な。特上。
家行くじゃん?
ピンポンすんじゃん?
そしたらすっげぇ若い女がいつも赤ちゃん抱っこして出てくんの。
年はじゅうごろくってったとこか。
地味ぃな女な。
あ・・・そいや、お前くらいかもな。
その女さぁ、赤ちゃんいるわりに、すげぇ暗い雰囲気なんだよ。
ほとんど俯いてて、声聞いたことねぇし。
それに赤ちゃんはいつも愚図ってんの。
でもぜんぜん興味なさげっつうか・・・抱っこしてるだけっつうか・・・。
それでな。
俺がその女から金もらってるときにさ。
奥から脂ぎった中年のデブハゲが出てくるんだ。
最初はその女の父親かと思ってたんだけど、すぐだんなだって分かって引いたよ。
え?
なんで分かったのかって?
こんなこと俺に言ってきたからなんだよ。
“でかい家に住んで、若い嫁をもらい、旨い寿司を食う。ははは、うらやましいだろう、ところでキミィ、時給いくらだい?ははは”
ってさ。

