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言われてみれば、単純で。
第1章 おれのきもちはフクザツで。
それから、また数ヶ月。
年越しも終えて、受験勉強もラストスパートを迎える。
だけど、俺は水曜日の図書室。この習慣だけは変わらず続く。

「キョーちゃん。俺、もうすぐ卒業だよ」

「そうですね」

「寂しい? ねえ寂しい?」

「少し寂しいです」

「マジ?」

「嘘です」

キョーちゃんは相変わらずのこの調子で、俺は相変わらずのマシンガントークです。


「俺多分、あの高校行くよ。来年来る?」

「私、近い高校がいいので多分そんな遠くには行きません」

「そうなの?」

「どうかしましたか」

「もう今更進路変えれないよな、って」

「そうでしょうね。
 学力的には向こうの方がいいですし、先輩には似合ってると思います」

「ありがと」

「先輩は私居ないところ、寂しいですか?」

「そうだね、寂しいね」

「じゃあ、その寂しい時間を勉強に費やして下さい。
 きっと、寂しくなくなります」

「そういうものなの?」

「多分。ほら、勉強してると時間忘れますし」

「確かにそれはそうだね」


キョーちゃんは、何かしら俺に勉強しろと言う。
何故か聞いたら、勉強はしないよりした方がいいからと、よく分からないことを言っていた。
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