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言われてみれば、単純で。
第1章 おれのきもちはフクザツで。
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部活が休みだったある朝、ゆっくりと通学路を歩いていると登校中の彼女を見かけた。
学校のすぐ手前の橋の手すりに身を乗せて川を覗いている。
「キョーちゃん、何してんの?」
「あ、丹羽先輩ですか。お早う御座います」
「おはよ。で、なにしてんの?」
「魚見てます」
「いるの?」
「あっちとか、あと、そのへん」
「ふーん」
彼女は次々に指を差して魚の場所を俺に伝える。
あまり表情が変わらない子だと思ってたけど今は結構楽しそうにしてた。
そんなに魚が好きなのか、なんなのか。
読めない子。
「で、聞いてます? 先輩」
「聞いてますよ」
「たまにザリガニとかもいて」
「うんうん」
「共食いとかしてて」
「それ、楽しいの?」
「結構」
ザリガニが共食いをしている様子を眺める、それのどこが 結構楽しい のだろう。
やっぱり読めない子だ。
学校のすぐ手前の橋の手すりに身を乗せて川を覗いている。
「キョーちゃん、何してんの?」
「あ、丹羽先輩ですか。お早う御座います」
「おはよ。で、なにしてんの?」
「魚見てます」
「いるの?」
「あっちとか、あと、そのへん」
「ふーん」
彼女は次々に指を差して魚の場所を俺に伝える。
あまり表情が変わらない子だと思ってたけど今は結構楽しそうにしてた。
そんなに魚が好きなのか、なんなのか。
読めない子。
「で、聞いてます? 先輩」
「聞いてますよ」
「たまにザリガニとかもいて」
「うんうん」
「共食いとかしてて」
「それ、楽しいの?」
「結構」
ザリガニが共食いをしている様子を眺める、それのどこが 結構楽しい のだろう。
やっぱり読めない子だ。
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