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言われてみれば、単純で。
第3章 俺と君は、曖昧で。01
今日は土曜日。

俺はただ、テレビを見てるだけ。
つまらない番組だったけどキョーちゃんがTVをつけてくれたので見ている。
一方TVをつけた当の本人は読書中。

先週俺が読んでいた専門書を読みたいと言い出した。
それは専門外の彼女からすれば難易度が高いだろうと大学に入ったばかりのときに買った初歩的な本を貸した。

彼女は時折俺に質問しながらそれを読み進めている。
だから俺は自分の本を読まずにここで待機しているわけだ。

全然畑違いな本の何が面白いのかは分からない。
でも彼女は中学時代から様々なジャンルの本を読み漁ってたのでそれの延長なのだろう。

つまらないTVにも飽き、窓の向こうを見る。
天気は雨。水滴が窓ガラスを流れている。
昼間だというのに薄暗い雰囲気、そして湿気っぽいこの空気。

憂鬱なこの天気。
でもキョーちゃんが居ればちょっとはマシになる。

中学のときもそうだったっけ。
雨の日にキョーちゃんに会う。
それだけで憂鬱な気分がリセットされてたっけ。
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