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言われてみれば、単純で。
第3章 俺と君は、曖昧で。01
「このジッポは特別なんです」
「誰かから貰ったの?」
「いえ。自分で買ったんですよ。
就職して、初めてのお給料で買いました。
ずっと憧れてたブランドのジッポライターなんです」
大きなオーブが描かれていたZIPPO。
彼女がよく身に着けているアクセサリや洋服にもこれが描かれているのを何度か見た。
「だから触らせたくないの?」
「まあ基本に自分のものは自分で管理したいですから」
「じゃあそのジッポちょっと貸して」
「はいどうぞ」
「あれ?触らせていいんだ?」
「先輩だからいいんですよ」
なにそれ。いつもの台詞なのに使い方が違う。
嫌がらせしてやるつもりが逆にやられた。
先輩だからいいんですよ。
それって特別扱いされてるって思って良いってこと?
「誰かから貰ったの?」
「いえ。自分で買ったんですよ。
就職して、初めてのお給料で買いました。
ずっと憧れてたブランドのジッポライターなんです」
大きなオーブが描かれていたZIPPO。
彼女がよく身に着けているアクセサリや洋服にもこれが描かれているのを何度か見た。
「だから触らせたくないの?」
「まあ基本に自分のものは自分で管理したいですから」
「じゃあそのジッポちょっと貸して」
「はいどうぞ」
「あれ?触らせていいんだ?」
「先輩だからいいんですよ」
なにそれ。いつもの台詞なのに使い方が違う。
嫌がらせしてやるつもりが逆にやられた。
先輩だからいいんですよ。
それって特別扱いされてるって思って良いってこと?