• テキストサイズ
言われてみれば、単純で。
第4章 俺と君は、曖昧で。02
金曜日。
缶ビール片手にキッチンに立っているとキョーちゃんが様子を見に来た。

「丹羽先輩、カレー飽きません?」

「飽きません」

「金曜の夜中と土曜の昼カレーなんですよ。毎週毎週」

「まあ美味しいからいいじゃん」

「ほんとカレーの腕だけは上がっていきますよね」

「まあね、俺努力家だから」

「毎週作ってれば嫌でも上手くなりますよ」

キョーちゃんは俺の持ってた缶ビールを取り上げて一口飲むとまた俺に返す。
自分のを開けてくれと思いながらもそれだけ距離が縮んできてるのか、なんて思ったりもした。

でも此処で浮かれてばかりはいられないので いつものように嫌なことのひとつでも言ってやる。

「そっかあ、じゃあキョーちゃんも毎日スキップしてれば?」

「あ…何で知ってるんですか」

「キョーちゃんがスキップドヘタクソなのは最初呑みに行った帰りに見たから知ってる」

「え、そうでした?」

「ほんと下手だよね」

「うるさいです。忘れて下さい」

「あれは忘れられないなあ」

あのリズムのとれない不器用でありながらも可愛らしくもあるスキップ。
忘れられるはずもない。
あのスキップを見た日から俺は此処にいるのだから。
/86ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ