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言われてみれば、単純で。
第6章 言われてみれば、単純で。
「キョーちゃんにとってこれはいい思い出。
 そう思っていいってこと?」

そうだと言って欲しかった。
俺とあの時、一緒に居た時間がいい思い出だと思っていて欲しかった。

そして今、こう再会できて、一緒に過ごしてきた1年ちょっと。
それが彼女のいい思い出のひとつになってくれれば、と思った。


「思い出?私は今の話をしてるんですけど」

今の話?
正直、言ってる意味がよく分からない。
これは過去のもので、過去の話。
中学時代の楽しかった思い出のひとつとして処理すべき事柄。
そして、この出来事もそうやって処理していって欲しい。


「今ですよ。今、私は此処に居て、丹羽先輩も此処に居ます」

「どういうことか分からないんだけど。
 こんなもの出してきて何がしたいの?」

「 私、まだ死なないと思いますよ。
人生の半分も生きてないつもりです」

「どういうこと?」

「これだって、過去じゃなくて。これの延長線上に今があるってことです。
少なくとも、私はそう思って丹羽先輩と一緒に居たし、これからも一緒に居たいと思ってます」

「それは俺の都合のいいように解釈しちゃっていいってこと?」

「多分、そうだと思います。好きとか、そういうのは丹羽先輩に言っても通じそうにないだろうし、私自身もよく分かってないです。でも一緒に居たいということは間違いないです」

つまり、キョーちゃんが言いたいことっていうのはどういうことだ?
これは、過去じゃなくて今の話で。

というか、今ハッキリと言ったよね。
一緒に居たいって。

俺だって、その通りだ。
これからもキョーちゃんと一緒に居たい。

「その半分、俺にくれる気あるってこと?」

「あげません。私のものは私のものですから」

「でも 先輩の半分は私が貰ってあげてもいいかなって思います。
先輩は私に貰って欲しいですよね」

すっげぇジャイアニズム。
でも、それがキョーちゃんのいいところ。
それが俺の「好き」なところ、でいいのかな。


でもさ、キョーちゃん。
俺にはまだ聞きたいことあるんだ。
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