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甘い風
第11章 翔
真っ白な天井を見つめ

(何で?何で別れる?)

彼女のいないベッドは広く冷たい

(こんなに好きになれて桜子以外考えられないのに。
俺が若いから桜子を悩ませるのか。
できることなら俺だって38歳になりたい。
そうすれば彼女は余計なこと考えなくて済むのに)

仰向けから横になり
つい今しがたまで桜子を熱く抱いたドレッサーが目に入る

(今まで散々女なんて抱いてきた。
でも、桜子は違う。
俺がアイツを必要なんだ。
他の女にこんな想いになったことがない。
きっとこの先も。
オヤジに桜子を会わせたい。
なんだよ、こんなに想ってるのに。
あの日以来、桜子のことばっかり考えてる。
指環も渡したのに。
ダメなのか?
俺じゃダメなのか?)

また天井を見上げ前髪をかきあげ
(そうじゃない、俺が桜子を必要なんだ。
それをきちんと伝えよう。
絶対にわからせてやる)

立ち上がり桜子の姿を探す
ベッドルームを後にし
バスルームへ行きバスタオルを腰に巻き

キッチンへ

暗い中無言のテレビの灯り
アルゼンチンタンゴが妖しく流れている

ダイニングソファに
外行きの黒い革のタイトスカート
身体のラインがはっきりわかる黒いVネックのカットソーに身を包んだ桜子が横たわっている

彼女は翔に気付き
「ちょっと出掛けてくる」
立ち上がる桜子の手首を掴み

「座って」

「少し外に行ってくるから」

「ダメ。行かせない」
彼女の腰に手をまわし
ソファに座り彼女を横向きに自分の上に座らせる

「ゆっくり考えた方がいいと思うの」

「ゆっくりも何も俺は何も変わらない」
ソファに深く身を静め
彼女の両脚を抱えソファの上に投げ出させる

「決断するにはまだ早いんじゃない?来週水曜日までまだ時間あるし。もし別れるならその前にお父さんに断って。それで翔は実家に帰ればいいし」

「何でそっちにもっていこうとするの?」
桜子の腰に腕をまわしたその手を
彼女のお腹に置く
もう片方の手で彼女の長い髪を持ち上げてはサラサラと落としている

「翔はまだ若いから」

「それ、全然関係ない」

「関係あるよ。これから先を考えたら」

「何?意味わかんない。桜子は俺のこと遊びだと思ってんの?」
髪をサラサラとする手を止め
その腕も腰にまわす

「ううん、真剣。真剣だから、別れもありかなって」
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