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甘い風
第11章 翔
「じゃ、いってきます!」

彼女の腰を抱いて
唇に口づけ
「いってらっしゃーい。あ、今日店、決まった時点で連絡して」

「うん。わかった」

いつものように彼女は颯爽と
出掛けていってしまった

翔はまたバルコニーへ
タバコを吸いながら
彼女の後ろ姿を見送る
彼女は今まで気付くことなく振り向きもせず
出掛けていく
(今日は白のパンツスーツか。
凛としたって言葉は彼女の為にあるようなもんだな)

タバコをもみ消し
学校へ行く支度をする

クローゼットルームに並ぶ彼女の服
とにかく色々なジャンルの服が並ぶ

(CDと一緒だな。『私の引き出し凄いから』かぁ。過去を知りたいような知りたくないような。
過去に嫉妬してんのか?何に嫉妬してんの?俺)

彼は細見の黒革のパンツに白いロングTシャツ
デニムジャケットを羽織って
大学へと向かった



(つまんねーし、バックレるか…)
外の芝生に寝転び

(愛が何だかわからない…か。)


ゴツっ
ブーツを蹴られ目を開けるとニヤリと笑うタケル

「何?授業いかねーの?」
ミディアムボブを邪魔そうにかきあげるタケル

「ん?まぁな」

「なによ?幸せ絶好調な翔ちゃんっ」

「な、タケル、お前んちも家族バラバラだよな?」

「何?お前んちもって。翔ちゃんちは仲いいだろ?」
寝転ぶタケル

「うん、そうだけど。お前、愛ってわかる?」

「何?急に。説教?」

「説教じゃねーし。タケルに聞いてみたくなったの」

「俺?俺、愛なんて幻想かメロドラマの世界って感じかなぁ」

「ふーん」

「考えないようにしてんのかも。めんどくさそうだから」

「何がめんどくさそう?」

「うち、両親どろどろの離婚劇繰り広げたからさ、そういうのがあると思うと、めんどくさそうでどっか冷めてるって感じ」

「冷めてる、か」

「うん、ちょっといいな、っ思う女がいたとしても、結局はどろどろしたりすんのかなーって頭のどっかで思ってんのかもって」

「そっかぁ」

「だから、適当にその場しのぎで女とやって深入りしない」

「なぁ、相手が本気だったら?」

「ま、逃げるに尽きるね」

「逃げる、か」

「だってそれが一番楽だろ」

「まぁな」

「そんな深入りしたくなる女に俺が逢ったらわかんねーけど」

「まぁな」
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