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甘い風
第3章 近付く二人
見下ろしながら
「何たべる?」

顔を見上げ
「何たべる?」

(綺麗な人だなぁー。口さえ開かなきゃ)

(やだ、カッコいい。子供だけど)

「焼肉!ビール!」

「え、僕、お酒飲めないし。飲んだことないし。肉、昼間食べたし。嫌いじゃないけど」

「だって今日は可愛い桜子さんが心配で、見守る為に送ってるんでしょ?」

「それとこれとは関係ないし、可愛いくないし」

「関係なくないでしょ、可愛い桜子さんのことが心配。僕は見守る。イコール、可愛い桜子さんが好きな物を好きなように食べて、可愛い桜子さんが好きな飲み物を好きなように飲むのを見守る。そして、焼肉やさんには、肉以外もある!冷麺もある!
はい、論破っ」

「えーっ、ダメだよ、僕そんなにお金持ってないもん!」

「お子ちゃまねー!気にするなって」
イタズラっ子のように笑いかける桜子に

「気にするなって言われても、ないものは、ない!」
憮然とした表情を浮かべる翔


「お金ならあるもーん。桜子さん、ちゃんと持ってるもーん」

「よくわかんないけど、じゃ、それでいいや」

「うちの近所に美味しい焼肉やさんがあるのっ。そこでどう?」

「はぁい。お任せしまーす」

「イエーイ!レッツゴー!」

カツカツカツとヒールを鳴らしながら、駅に吸い込まれて行く桜子の後を長いコンパスが追う

「僕だって大学ではドSの翔さんって言われてるのに、ほんと、狂うわー」

「ほれほれ、カモーン」
手招きする桜子に

「僕は犬じゃなーい!」
翔は吠えた...


到着した電車にスルリと歩を進める二人

「ね、凄いイケメン!見てみて!」

「お姉さんと一緒にいるのかなぁ?」

「美形家族なんじゃない?」
座席にいる女の子達がひそひそと話している

込み合う車内

桜子の頭を見下ろしながら
聞こえるか聞こえないかくらいの声で
「姉ちゃんじゃねーし」

「ほれほれ、弟よ、他人の言葉なぞ真面目に聞くなよ、弟よ」
と、見上げて笑う

ガタン
急ブレーキ状態で駅に着く

グラリとふらつく桜子の肩と腰を抱きしめた翔
「運転下手くそ」

思わず顔を赤らめる桜子
「ありがと、西新宿到着!」

「ちびっこ支えるの、余裕」
ニッコリと口角をあげてイケメンスマイル

「姉弟じゃないんじゃない?」聞こえてきた女の子の言葉を背にして

二人は笑いながら駅に降り立った

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