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甘い風
第3章 近付く二人
「こっちだよっ」
桜子に先導されながら歩く長い脚

すれ違うはずの自転車が止まる
「あ!桜子さーん!今帰り?」

「うん、本日の業務終了にて無事帰還いたしましたっ。これから出勤?」
ニッコリと微笑みながら、自転車の持ち主に答える

「帰還って兵士かよ」
ボソッと呟く翔

「そうだよ。お帰り。また来てね!」
デニムに白シャツ、カッコいいおじさんが自転車にまたがって消えていった

「僕の言葉二人とも無視だし」

「まったねー!」
笑顔で手を振る桜子に

「あの人、なんの人なんですか?すげーかっこよかった」

「内緒。ねーっカッコいいよねーっ」

「またぁ?それ、飽きたー」
プクっと唇を尖らせる翔に桜子は

「何?妬いてるの?」
ニヤニヤしながら問うてみる

「妬いてないし」
まだ唇を尖らせている彼に

「ウフフ、かーわいーっ!」
満面の笑みを向ける


またカツカツと歩き出した桜子

「わけわかんない」
とついて行く翔

「ここ、ここ!」
彼女が指差したのは、商店街の中の昔ながらの焼肉やさん

「こういうところ、桜子さん来るんだぁ」

「なんで?来ちゃいけない?」

扉を開けると同時に

「あら!いらっしゃーい、桜子ちゃん」
優しそうなふくよかなおばあちゃんが声をかける
その後ろから
「お!桜子ちゃん、いらっしゃい」
これまたふくよかな、穏やかそうなおじいちゃんが歩いてきた

「今日はお連れさん?」

桜子の後ろに立つ若者に目をやりながら
お手拭きを用意するおばあちゃん

「うん、そう。会社の子。ここでいい?」

「聞きながらも座ってるし」

「はい、いらっしゃい。レディーファーストねっ。そこ、桜子ちゃんのいつもの席だもんね」
ニッコリとおしぼりを広げながら渡してくれる

長い脚を折り畳み椅子に座る翔を眺めながら
「はじめまして。いらっしゃい。」
おしぼりを彼に手渡す

「あ、どうも。お邪魔しまーす」

「お邪魔しまーすって何か面白いっ」

「二人ともビール?」

「あ、この子未成年だから、ソフトドリンクで。私はビール!」

「サイダーありますか?」

「ありますよ、今、用意するわね」

「やったー!ビールビール!」

「ビールってそんなに美味しいの?」

「最高!」

「ふぅん」
つまらなそうな様子の翔に

「早く大人になっちゃってっ。そしたら、ビール奢ってあげる」
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