この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
甘い風
第3章 近付く二人
「ご馳走さま!」

「どうもご馳走さまでした」

「お会計、私がたくさん飲んだから、多めに払うね」

「あ、いいよ、奢られたいんでしょ?桜子ちゃんっ」
やや潤んだ瞳、頬がピンクに染まる桜子を見つめ
伝票をレジに持って行く翔

「やだっ。バイト君に奢ってもらったら、会社で何言われるかわかんないもん」

「他人の言う言葉を真面目に受けとるなって、言ってたのお前だろ?誰が何言っても気にするなって」

「大人ーっ」

「はーい、ありがとうございました。お会計はこちらです」

「おばちゃん、カードでいい?」
財布からスッと黒いカードを取り出す翔

「はい、お預かりします」


(...ブラックカードって、この子、何者?...)

「はい、こちらにサインしてくださいね」

「はーい」

「ご馳走さまでしたっ、また来ますねーっ」

「はい、いつでも来てね、桜子ちゃん、二人で」
「桜子ちゃんまたね!」奥から、おじいちゃんの声がする

先に出た桜子は、小首をかしげながら
(ボンボンなのかなー?あの子)
と考えていた

元々お嬢様の桜子だが
(もしかすると、私よりも大変な家なのかも、なんか、可愛そう)

そんな気持ちで夜の風に当たっていた

「美味しかったです。また来ます!」
という声とともに扉が開き、
頭を屈めながら翔が出てきた

「お待たせー」

「ご馳走さまでしたっありがとうございました!」

「なんか、すげー素直じゃね?」

「人様にご馳走になったときは、本当に感謝の気持ち伝えるのが、私の流儀なのっ」

ほろ酔いの桜子はふわりと前に歩きだした

「家まで送るなんて言ってないよ、俺」

「え?ここまで来て送ってくれないの?」

「目を潤ませるなよ、そんな目で言うなよ」

「酔ってるからでしょ、この目は」

「あ、そ。んじゃ俺駅まで戻るわ」
ニヤリとしながら譲らない翔

「え?最初と話し違うじゃん」

「何?心細くなったの?桜子ちゃん」

「あれ?だって、可愛い桜子さんが倒れたら心配だから、送るって言ってなかった?」
ウルウルした瞳で立ち止まる

「最初は、会社の近くの駅まで送るって言ったよ、俺」

ハッとした顔で
「確かに。。。」

ブハッと突然吹き出しながら笑い続ける翔を
キョトンと見つめる

「お前、ほんと、可愛いな」
言葉と同時に腕を伸ばし正面から桜子を抱きしめた

/147ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ