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甘い風
第3章 近付く二人
何が起きているのか、訳のわからないまま抱きしめられていると
上から言葉が降ってきた

「オチタわ、俺」

「は?何?何?何が起きてるの?」

「オチタって言ってんだろ」
片手で桜子の頭を撫で片手は桜子の背中を抱きしめたまま

「あれ?お子様、もしかして酔ってるの?」
頭を後ろに反りながら見上げる

「そう思うなら、それでいいよ、送ってやるから道教えろ」

「う、うん」
コクンと喉を鳴らし身体を翔と同じ向きにして
歩きはじめた

「あれ?なんだろう、これ?」

「え?なんでもいいんじゃない?」
桜子の背中にあった手を肩に回して歩く翔

「まぁ、いっか」

「いいんだよ、可愛い桜子ちゃん」
顔を覗き込むように背中を丸めた翔に向かって

「近くない?君、なんだか、とっても近くない?」

「出た!急に大人発言っ!あはは」

「だって、この展開絶対おかしいもん」
真顔で少し頬を膨らませた桜子に

プスっと指を刺す翔

くるっと顔を指先に向けた瞬間
また噛みついた

「いてっ!やめろよ、ったく」笑う翔

「だって、指ほっぺに刺すんだもんっ」

「それ、人の指を噛む理由になってないじゃん、動物だな、桜子ちゃんは」
まるで猫の喉をくすぐるように
翔の長い指が桜子の喉をくすぐった

「ゴロゴロ、にゃーにゃー」

「やっぱり、お前、俺のペットだわ」

「考えられないっ、私が人間以外だなんて、考えられないっ」

「いいの、いいの、考えなきゃいいんだから」

「そっか」

「そうそう」

「って絶対違う!」

「あんまりそうやって面白いこと言ってると、襲うよ、俺、狼だから」

「子犬の間違いじゃない?」

コツコツ、カツカツと靴音を鳴らし歩く二人

「子犬がこんなにデカイと思うわけ?」

「デカイ子犬もいるかもしれない」

「減らず口」

「それは私のセリフ」

「可愛いなー、お前」

「お前にお前って言われたくないもんっ」

「いいだろー、お前はお前なんだから」

「そういえば、レモンサワー美味しかった?」

「話し変えるの好きだよなー」

「初レモンサワーでしょ?」

「うん、なんか、初恋の味って感じっ」

「何?そのぶりっ子みたいな話し方。ウフフ。気持ち悪い」

「女だったらそうやって言うんだろうなーって思って」

「そこ、女になる必要なくない?あ、うち、ここ」


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