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甘い風
第6章 精算
彼女は昼時のオフィスで携帯を眺め考えていた

(全部切らなきゃなぁ)

彼女と肉体関係のあった男たちに
メールやラインを一方的に

(もう、会わない、さようなら。で、いいかな?
あとは拒否設定とブロックかければいいか)

真剣な眼差しを携帯に向け
指先を動かす
(メール、ライン、拒否設定っと。よし、オッケー、これで彼ときちんと向き合える、かなぁ。)

彼女はこれで彼に対する後ろめたさから少し開放された

(でも18歳かぁ…)
不安ばかりが押し寄せる

(ダメ!やめた。不安は自分が造り出すもの。考えるのやめよう!)

まだオフィスにいる里優の姿を確認して
「里優ちゃんっ、ご飯行かない?奢らないけど」
笑いながら

「もちろんです!行きましょっ」



桜子の希望により
すぐ近くの中華屋

「桜子さんってラーメン食べるんですね」
笑いながら里優が桜子を眺める

「食べるわよ、キライな食べ物、世の中にないもん」
レンゲでスープを飲む桜子

「桜子さんのイメージだとラーメンよりもパスタとか、フレンチとか」

「そう?焼鳥屋にも行くし、焼肉屋にも行くわよ」
答える彼女は真顔

「えーっ、意外!」

「何で?里優ちゃんは行かないの?」

「私は行きますけど」

「行くでしょ?私も同じ」

「えーっ、桜子さんはお洒落なフレンチとか、この前のイタリアンとか、そういうイメージでした」

ラーメンをすすりながら
「イメージかぁ、他人様の勝手な創造でしょ?」

天津丼を食べながら
「ですね」

「みんな、勝手なもんよ」

「ですかね」

「それぞれに良いように解釈するし、造り上げるでしょ、そういうのもったいないと思うんだ」

「そうですかぁ、私はまだまだですね、きっと」

「里優ちゃんは貴女の世界観で私を造ってくれた、でも現実は食べず嫌いがない私がいる。ただそれだけじゃない?」

「桜子さんは小さな世界で生きてないって思います」

「アハハ!だって里優ちゃんより10年も長く生きてるもの。お腹いっぱい!ごちそうさまぁ!」

「私もお腹いっぱいです」

「帰ろっ」

「ですね」

互いに会計を済ませオフィスへ




「ただいま!」

「おかえりー」

「おつかれ」

「行ってきます」

それぞれの立場
気持ちで言葉にする
それが桜子には心地いい

里優は自席で桜子の言葉を噛み締めた
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